西日本実業柔道連盟
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第3回ラオス指導者派遣事業報告
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指導員所感
珠久 竜市 指導員 近畿通関(株)
珠久 竜市 指導員
今回、西日本実業柔道連盟が平成17年から継続して行っている「国際友好親善と国際感覚を備えた柔道指導者育成を目的とし、若手指導者を指導員とする短期海外派遣事業」で初めてラオス人民民主共和国に行かせて頂きました。

ラオスでは今、日本をはじめ多くの国がいろいろな分野で支援等を行っております。日本政府からの支援は一般文化無償資金協力として、2009年11月に完成した道場「ラオス・日本武道センター」(Lao-Japan Budo Center)があります。
また、この派遣事業もその支援の中の一つにあたると思います。

ラオスへの派遣事業は今回で3回目という事もあり、過去に参加した諸先輩方からいろいろ経験談等を事前に聞いていました。その為、派遣が決定した当初は、期待より「自分自身の指導者としての経験不足」「言葉の壁」など不安な気持ちの方が大きかったことが正直な気持ちでした。

実際行ってみると聞いていたより遥かに国自体が発展している感じがしました。また「ラオス・日本武道センター」(Lao-Japan Budo Center)の設立により最新の設備が整い良い環境の中でラオスの柔道も発展していることを感じ取ることが出来ました。

指導風景 現地での指導は、当初の不安通り言葉が通じないので戸惑いました。
ですが、実際に組合い、汗を共に流したことで簡単な英語とジェスチャーであってもコミュニケーションをとることが出来たと思います。柔道という共通言語を通じ「何か一つでも多く学びたい」という彼らの熱い気持ちはとても印象に残りました。

強くなることだけが目的ではなく、礼法・形といった柔道の基本に忠実であること、彼らの柔道に対する前向きな姿勢には、学び得る点が多くありました。


指導風景 また、現地指導員である菊池先生、熊井先生(JICAシニアボランティア)の指導や活動など貴重な話を聞き、先生方のお力がラオスの柔道の発展に貢献しているものと実感しました。そして、滞在中には現地案内役を務めて頂くなど大変お世話になり、先生方のご指導の下、有意義な時間を過ごすことが出来ました。本当に感謝しております。

約1週間という短い期間ではありましたが、団長の山城先生をはじめ、副団長の中川先生、そして他3名の優秀な指導員の方々にも恵まれ、大変良い経験をさせて頂きました。それは今後の私の人生にも活かしていきたいと感じております。

このような経験は誰もが出来るものではありません。この機会を頂いた西日本実業柔道連盟、そして何よりも理解を下さった会社に深く感謝いたします。大変貴重な経験をさせて頂き、本当にありがとうございました。
山本 泰三 指導員 九州電力(株)
山本 泰三 指導員
この度、山城団長はじめ6名の派遣団で近隣国の柔道普及拡大を目的としたラオス人民民主共和国での柔道指導事業に参加させていただきました。

私は、学生時代(8年前)に一度ラオスを訪問したことがありますが、当時に比べ、ラオ・ジャパン武道センターという立派な施設ができ、また、柔道人口も格段に多くなっており、着実に柔道普及が進んでいるということを実感しました。

さて、今回の派遣事業において私は、大きく2点勉強・体験させていただきました。

まず1点目ですが、柔道を通じ自身の見識を広げることができたことです。柔道をきっかけとして、ラオスの選手達と積極的にコミュニケーションを図ることができラオスの文化・習慣等について学ぶことができました。

指導風景 2点目ですが、人に技術を教える難しさ、楽しさを学ぶことができたことです。一つ一つの技において、手の動かし方、足の動かし方、体重移動の仕方等々、これまで無意識で行ってきた動きを意識しながら噛み砕いて教えることの難しさを体験すると共に、自身の技を振り返るよいきっかけとなりました。また、ラオスの選手一人ひとりの目を輝かせながら貪欲に技術を習得したいという意欲に微力ながらではありますが、一生懸命応えることで、選手達から「ありがとう」の言葉をもらい、人に教える楽しさも学ぶことができました。

一週間という短い滞在期間ではありましたが、教えること以上に教えられること、気づかされることが多く、非常に充実した派遣となりました。今回の柔道指導者派遣事業での経験を活かし、グローバルの視点を持った柔道人また社会人として活躍できるようこれから精進していきたいと思います。

最後に、このような貴重な機会を与えていただきました西日本実業柔道連盟並びに当事業への参加を快く同意していただいた会社に深く感謝いたします。また、現地においてお世話いただきました菊池先生、熊井先生に感謝申し上げ、私の報告とさせていただきます。(コプチャイ!)
望月 竜太 指導員 ワイエスフード(株)
望月 竜太 指導員
今回、指導者派遣事業に参加できたことは、私の柔道人生の中でかけがえのない貴重な経験となりました。このような機会を与えてくださった西日本実業柔道連盟のみなさまに感謝いたします。

私がラオスで一番感じたことは、みんな柔道を楽しんでやっているなということです。選手たちの柔道に取り組む姿勢や貪欲さにとても感心し、純粋に柔道が好きなんだなと思いました。同時に、国の代表として国際大会で活躍してやろうというハングリー精神の強さも感じました。ラオスの柔道人口は約300人とまだまだ少ないですが、今後の発展が大いに期待できると思います。

私は、「海外の選手=変則柔道」というイメージでしたが、ラオスの選手はしっかりと組んで技を仕掛けるスタイルで好感が持てました。選手たちは連続技の入り方や組み手争いなどの技術的な質問を多くしてきました。その度にジェスチャーを交え説明しましたが、自分の語学力がない為にうまく伝えることができず、もどかしく感じました。もっと英語の勉強をしておけばよかったなと強く後悔しました。

指導風景派遣メンバーに選ばれたときは、ラオスについての知識がなく、英語も十分に話せないのに指導などできるかなと、とても不安でした。
実際に、言葉でのコミュニケーションでは、おそらく伝えたいことの2〜3割程度しか理解してもらえなかったと思います。しかし、柔道の稽古を行うことによって、言葉では伝えられない多くのことを伝えることができたと思います。




日本発祥の柔道が、今では世界各地でJUDOとして普及し、素晴らしいコミュニケーションツールとして発展しているなと初めて実感できました。これは日本にいるだけでは絶対に気づかないことです。

今回の経験を今後の柔道人生の糧とし、柔道界の発展に少しでも役立てていこうと思います。
白井 勇輝 指導員 旭化成(株)
白井 勇輝 指導員
今回、西日本柔道実業連盟における若手柔道指導者の育成を目的とした海外派遣事業の一環として、ラオス柔道指導者派遣にコーチとして参加させていただき厚く御礼申し上げます。下記の通り私なりにレポートをまとめましたのでご報告いたします。

派遣が正式に決まったのは8月の末、海外に行った経験がない私は話しが来たときそういった部分ですごく不安がありました、でもなかなかないチャンスな上、自分にとって柔道だけでなく社会人としてもプラスになる成長できる派遣だと思い参加しました。

決定してからラオスに行くまでの残りの2か月は少しでもラオスのことを知ろうと時間があるときなどはネットや本屋でラオスのことを調べ、ラオスの知識を取り入れました。

ラオスの首都ビエンチャンの街は日本と比べ道などはあまり整備されていませんでしたが、思っていたより交通量が多く車やバイク、特に車は日本車が多く走っていました。

11月はちょうど雨季から乾季に変わった時期でしたがとても日差しが強く日中は35度近くまで気温が上昇しとても蒸し暑く感じました。また感染症などで心配していた蚊なども少ないほうというものの結構飛んでいたように思います。

指導風景今回の練習場所となる、ラオ・ジャパンセンターはラオスの首都ビエンチャンのほぼ中心部に位置し、3年前に日本の援助によって建てられた武道館です。

規模は試合場2試合場分以上あり、2階には50人以上は収容できるであろう観覧席が設置されているなど、とても立派な武道センターという印象を受けました。

センター内では柔道、空手、合気道などが練習場所として武道センターを利用していました。練習時間がかぶらないように時間を調整して練習をしますのでとても広々と練習することができます。

練習に関してはちょうど大きな大会前ということもあって、合宿を行っており、約20名ほどの選手がセンター内で寝泊まりし早朝のトレーニングから始まり、午前、午後と三部練習をこなしていました。

1回の練習時間は1時間半ほどと短めでアップや打ち込み、反復などの基礎的なものが中心で立ち技の乱取稽古などはそのうちの30分ほどでした。

ラオスは11月だというのにとても暑く、私を含めコーチ陣はみんな大量の汗をかきながら練習をし、とてもハードなものになりました。現地の選手たちは環境になれているためかとても機敏な動きで暑さなんかに屈することなく『先生お願いします』と練習中は何度も何度もお願いされ、休む暇などありませんでした。意外とパワーが強く動きも機敏で独特なスタイルの選手が多くおり、トータル的に身体能力の高さを感じました。

技を教えるにあたって、まず言葉の部分で通じないので伝わるのか心配でしたが、日本の大学に留学した経験がある子やラオスの大学で日本語を専攻している子などがいたためとてもスムーズに技の講習などは行ったと思います。

選手達はこちらの言うことやることに対しとても熱心に聞き入っており、練習後などに細かい部分や疑問に思った部分などを聞きに来る選手などがたくさん見られました。

また、各自得意技が確立しており、その得意技に行くまでの過程を聞いてくる選手が多く、相手に腰を引かれて手で突っ張られて間合いが遠いところから背負いに行くにはどうすればいいだとかとても具体的な質問をしてくる選手などがいました。

また、私自身含めコーチ陣は講習や指導法において言葉が通じない、日本の柔道との考え方のちょっとした違いなどをくみ取って指導しなければならず、教え方などに工夫が必要でした。そういった部分で考えさせられ、いろんな指導パターンを用意し試してみるなど、自分自身大変勉強になりました。

練習などを重ねていくうちに思ったのは、言葉が通じなくともお互いに柔道という共通している物を通じて指導・練習する上でコミュニケーションが取れたり、互いの柔道スタイルや考えを共有できたのではないかと私は思いました。

また、ラオス選手達はみんな挨拶を徹底しており、遅れてきた選手は先生だけでなく、私たちコーチ1人1人に深々と一礼して回るなど礼儀正しさを感じました。そういった部分では、私自身も普段の生活で挨拶などしっかりできているのかと改めて考えさせられました。

今回のような暑い国に行くにあたって注意すべき点は、蚊などによる伝染病と暑さからくる熱中症の2点だと私は思います。携帯用蚊取線香やポカリスエットなどのスポーツドリンクは必須だと感じました。

ラオスは国自体が今著しく発展してきています。国が発展することはその国のあらゆるスポーツが発展の道を辿るのではないかと思います。ラオスの柔道もこれからもっと競技人口が増えたりと発展していくものだと思います。そのためには日本柔道の継続的な協力は必要不可欠ではないかと思います。

今の日本の柔道は学生柔道、警察柔道、そして実業団柔道の三つの柱からなっていると思いますので、その中でも実業団柔道がもっとこういったことに視野を向け関心を持ち力を入れる必要があると思いました。

最後に、今回このような機会を与えてくださった西日本実業柔道連盟と今回の派遣に対してご理解いただき、快く送り出してくれた会社の方にも深く感謝いたします。

本当に貴重な経験をありがとうございました。
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