先鋒戦。松岡左組み、坂本右組みのけんか組み手。似たタイプ同士の一戦は、引き手争いから始まる。松岡は内股、大内刈、体落で攻め、坂本は右内股の加え、左の一本背負投、双手刈といった奇襲を試みる。しかし、いずれも決め手を欠き、引分ける。
次鋒戦。坂本が左組み、青木は右組みの両者は、互いに組み手争いに注力。攻撃は散発、技の効果もなし。時折、坂本が寝技で攻めるが、青木はこれを嫌う。結局、両者に2分2秒に指導1、3分18秒に指導2が与えられて、そのまま引分。
中堅戦。互いに技が出ず、両者に1分7秒指導1。続いて、2分29秒に指導2を受ける。その直後の2分34秒に、猛然と奥襟を掴もうと覆い被さって来る益田を、大村は脇の下に手を添えて抱え込み、委細かまわず後方へ振るように小外掛で倒せば、増田は後方に大きく落下し、技ありとなる。これが決定打となり、了コ寺学園先制。
けんか組み手の対戦となった副将戦。長身の本郷が組み勝ち、川山の奥襟を制し、長身を利して大外刈、大内刈、時に小内刈で攻めるも、川山はよく残す。川山は、低い姿勢から背負投や小内刈を、主に組み際で仕掛ける。終盤になっても攻撃の手を休めない本郷に対し、消極的となった川山に残り44秒、指導1が与えられる。その後、川山は反撃を試みるも効果乏しく、そのまま時間。
大将戦。軽部左組み、柴田右組みのけんか組み手の対戦。35秒に、軽部は跳び付き腕挫十字固を試みるが不発に終わる。その後は、柴田が攻勢、軽部は防御の色濃い試合運び。試合中盤の1分51秒、柴田は軽部が小内刈に来たところを、倒れながら裏投げで横に振ると、軽部は畳に背中から落ちて技ありとなる。柴田はすかさず上四方固で抑えるが、軽部は10秒余りでこれを振りほどき危地を脱する。柴田に効果。この攻防で了コ寺学園の敗色が濃厚と思われたが、その直後の2分25秒、軽部はこの試合2度目の跳び付き腕挫十字固を仕掛ける。空中での腕挫十字固に虚を衝かれた柴田は完全に腕を極められ、思わず「参った」と軽部の太腿を叩く。柴田の顔は苦痛と敗戦の衝撃に歪み、軽部は思わずガッツポーズを決める。思いもよらない奇襲戦法で軽部は劇的な逆転勝を納めた。了コ寺学園の4年ぶり2度目の優勝成る。
準決勝戦に進出した上位4チーム(了コ寺学園、セコム、日本通運A、アルゼ)が来年度第一部に昇格した。 |