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東レ滋賀
松本 章宏(1日目午後指導責任者) |
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(7月17日午後の練習メニュー)
(柔道のレベルについて)
全体的に日本の高校生全国大会出場レベル。中には、ジュニアで優勝できそうな選手も数名いた。しかし、「組み手」「技」がきれる選手が少ない。特に、寝技については攻め方を知っている選手が少なかった。
(設備環境面)
全インドネシア柔道会館は、合宿場、トレーニングルーム設備もあり整った環境だと考える。しかし、柔道畳の老朽化が進み、所々に隙間があり危険だった。
(インドネシアの練習内容)
・真剣に練習に取り組んでいる、礼儀作法も出来ていた。
・移動打ち込み、寝技の補強では、間違った方法で実施している練習生がいたが、現地の指導員が指摘している光景はなかった。全体的に身体能力が高いので、技を修正する事でもっとレベルアップが期待できそう。
(技の指導について)
安齋先生の通訳のおかげもあり、得意技の内股を指導する事ができた。また、練習生が技を習得できたら、「先生見て見て・・。私のも見て・・」と積極的に声をかけてきて、上手くできたときの喜んでいる顔をみて、指導する側としてとても嬉しかった。
(ラダートレーニング指導について)
早く現地の方と身近に触れあいたい為、遊びの要素をふくんでいて楽しくできる、ラダートレーニングを初日に持ってきました。ねらいどおり、練習生の足がもつれ笑いも出て楽しくトレーニングを実施する事ができた。
ラダーは、敏捷性を高めるトレーニングですから、スピード・正確さを高め、技に入る位置など柔道競技にいかしてほしい。
(所感)
派遣が決定した当初は、期待と不安が混在し、非常に複雑な心境でした。また、3日間という短い期間でどのような事を伝え指導するか、自分の柔道で良いか正直戸惑い、派遣前から柔道の基本および重要性を深く考えさせられました。しかし、現地で指導されている先生はじめ、練習生が熱心に柔道に取り組んでおられ、不安よりも言葉が通じないなかで現地の方々にどうにかして伝えたいという気持ちに変わりました。
実際の指導では、言葉が通じず苦労もありましたが、通訳でご協力いただいた安齋先生のおかげもあり、身振りや手振りや片言の英語、何より「柔道」という国際語を使ってのコミュニケーションはお互いにその気があれば伝えられるものだと学びました。
また、現地では貴重なお話をたくさん聞き、黒田顧問はじめ日本人指導者が、業務の傍ら、インドネシアで熱心に柔道を指導され教え子達から親しみと尊敬を受け、さらに、民間外交され国際貢献にも寄与する文化人としての生き方に驚きを感じました。柔道は強かったらそれで良いわけではなく、奥が深いものであり、人間を成長させてくれるものだという事を、改めてインドネシアの方々に学んだ気がします。先生方や他の指導員に恵まれたこともありますが、今回の派遣で私もインドネシアの柔道に微力ながら貢献できたことを嬉しく思います。
最終日には、東レ関係会社の工場見学を設定して頂き、当社の事業展開のスケールの大きさを改めて感じることができ、大変勉強になりました。
最後に、このような機会を与えていただいた西日本実業柔道連盟および希少な機会をご理解いただき承諾していただいた会社に深く感謝致します。この経験は、今後の人生においても大いに役立つものと確信しております。本当に、ありがとうございました。
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旭化成
田中 貴大(2日目午前指導責任者) |
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今回インドネシアで柔道指導をしてみて、現地の選手たちはとても飲み込みが早く、教えた技をすぐに練習で試していました。
また、とても熱心に指導を聴いてくれ自分のものにしたいという気持ちが現れていました。トレーニングの指導はラダートレーニングをしてみましたが見るのもやるのも初めてという中、みんな楽しみながら覚えていっていました。
指導の時間は短いものでしたが練習、指導を通して選手たち一人ひとりとやり取りをして国際スポーツとしての柔道を改めて感じることが出来ました。
インドネシア柔道のレベルは高いというわけではないですが、身体能力も高い選手が多いですし、吸収力がある分伸びしろはかなりあると思いました。また彼らは強くなるために必要な「心・技・体」の心の部分がとても強いのではないかと思いました。
練習、指導後の礼儀、挨拶などとても丁寧ですがすがしい気持ちになることが出来ました。
私たちが教えたことが少しでもインドネシア柔道復興に繋がって、
今後インドネシアの選手が活躍してくれたらとても嬉しいです。
今回インドネシアのナショナルチームと練習、指導を通して一番印象深いのは彼らの貪欲さです。練習においても休めないほどお願いに来られて、「もう一本お願いします」と言われたり、技を教えたら「つり手の使い方はどうするのか」「足の運びはこれでいいのか」など動きの細かな点まで質問してきました。自分の技がうまくいかないときは私を放してくれないほどしつこく貪欲に聞いてきました。
日本の子供たちに教えても恥ずかしがって質問に来なかったり、間違いを指摘されるのを恐れ目立たないように時間をすごす子が多い気がします。
インドネシアの選手のように貪欲に、「自分のものにするんだ」と来てもらえたら教え甲斐もありますし、自分の技を見直すのにもとても為になりました。言葉、習慣、文化など様々な点が違うインドネシアという国で柔道を通して通じ合えて、柔道のすばらしさ、面白さを再認識することができたすばらしい機会でした。このような機会を与えて頂きまして本当にありがとうございました。
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本田技研熊本
中馬場 慎剛(2日目午後指導責任者) |
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(インドネシアの指導で気づいた事と指導の成果) 今回、インドネシア柔道指導者派遣では、各指導者が自分の得意技を指導するといったプログラムになっており、私は相四つに対しての背負い投げの入り方と、寝技では肩固めを指導しました。ナショナルチームの選手達は個人差があるものの教えた技を直ぐに形にする事が出来、非常に身体能力に長けてる様に感じました。
乱取り稽古でも教えた技を実践していましたが、やはり乱取りとなるとなかなか技が掛からず、疑問に思うと、どの様にしたらいいのかを直ぐに聞きに来たりと、柔道に対し非常に積極的で、私も見習うべき物があると感じさせられました。
通訳に至っては現地の仙石先生や安齋先生が居られましたので最初に全体に指導する際は問題ありませんでしたが、個人指導になると、片言の英語とジェスチャーで何とか指導出来ましたが、細かい所までは正直、指導する事は難しく、語学がいかに大切か思い知らされました。指導の成果としては、私の指導に対し現地
の先生方や選手達がどう受け取ってくれたかは解りませんが、選手達がこれからの柔道人生において私が教えた事が少しでも役立ってくれればと思います。
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戸鉱業社 赤迫 諒介(3日目午前指導責任者) |
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今回の指導にあたり私が感じた事は、選手達はみな明るく楽しく一生懸命に柔道している様子でした。また日本の練習風景とは全く違い監督と選手達にあまり温度差がないのもびっくりしました。しかし柔道に対しては真面目で強くなりたいという気持ちがすごく伝わって来て、私が技を指導すると熱心に何度も反復練習して、乱取で試してみてはすぐに技をマスターできる選手もいたりし身体能力の高さにもびっくりしました。このような熱心さの部分を日本人も見習わなければいけないと思いました。
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