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5.柔道連盟の施設 |
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柔道連盟の施設を背景に視察メンバー勢揃い 建物(左)仏柔道連盟 (右)ワールド柔道センター |
フランスの柔道連盟は、パリ市が保有する土地に連盟が建て、国が管理している。当初、柔道はレスリングの傘下にあったが、日本からの指導者の尽力もあり、競技人口も増え柔道が独立した。
建物は「フランス柔道連盟の施設(傘下の剣道、合気道、居合道、チャンバラ、相撲などの組織も同居)」と「ワールド柔道センター(多目的の格技用体育館)」とが向かい合わせで建てられている。
「フランス柔道連盟の施設」には、各役員用の部屋と併せ、大会議室、広報室、法務室や柔道の会員を登録するためのコンピューター室もあり、機能的な施設である。また映像収録・編集室にはこれまでの柔道の試合がすべて記録として保存されており、対戦相手の研究用としていつでも取り出せる設備もある。また、日常の練習用として210畳の柔道場(サブ)がある。隣には筋力アップ用のトレーニングルームがあり練習する場としては最高の環境である。パリ柔道連盟もここに同居し、合宿などで宿泊者が多い場合は隣接してホテルもある。
「ワールド柔道センター」は8試合場とれる常設の柔道場(メイン)で、試合会場として使うほかナショナルチームに入ることを目指し、フランス各地区から集まってくる選手や海外からの強化選手(100〜200人)が練習する場所として使用されている。また、2、3階部分は2800人が収容できる観覧席がある。畳のサイズは、2m×1mであった。
施設内の部屋や廊下の各所には「嘉納治五郎師範の肖像画」や「自他共栄」の掲示物が随所に張ってあり、日本の柔道に対する思い入れが強く感じられた。
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映像収録・編集室の見学 |
柔道連盟内の柔道場(210畳)で取材 |
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6.教育と広報 |
スポーツの中でも柔道は教育面で大切な競技として国では認識されている。ルージェ会長は日本で修行しフランス人として初めて世界チャンピオンになった。会長の理念は日本でお世話になった経験から、自国の柔道が強くなることだけではなく、「自他共栄」の精神で世界の柔道のレベルを上げたいと願い、国と国の交流を推進している。小さな国にも強い選手がいるが、その国だけの練習では限界がある。それらの選手が世界選手権等で活躍できるよう、フランスに招き練習場の提供や指導などの支援をしている。
広報活動の大きな課題は柔道人口拡大であり、そのキャッチフレーズは「お子様に柔道を習わせてください、立派な人間に育てます」と、教育を全面的に出しPRしている。
親が5〜6歳から柔道を習わせる目的は、柔道の「礼儀作法」を「躾・教育」として身につけさせたいためで、その期待に応えるために柔道は道場で練習するだけでなく、常日頃から武道の精神を理解し、先生や目上の人に対する礼儀を重んじるよう指導している。
また、ビーチなどに出向き畳を敷いて、バカンスにきている人に柔道着を着てもらい、柔道を身近に感じてもらったり、年度初めは柔道フェスティバルを企画し、ナショナルチームの人気選手を各地方に派遣させたり、少年院、病院、障害者施設などを訪問し、柔道の裾野を広げる活動もしている。
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