準決勝戦第2試合
初戦、2点のビハインドを撥ね返し、2−2の内容差で九州電力を逆転勝ちで準決勝戦進出の旭化成Bと、東レ滋賀との初戦を先鋒戦から連続して3点を奪取して準決勝戦に駒を進めたダイコロとの戦い。
先鋒戦。66kg級、軽量級の旭化成・寺居と大兵190cmのダイコロ・合田との戦いは、右で奥襟を掴み、押え付けるように攻める合田に対し、寺居は間合いを取りながら、激しい動きの中で多彩な技を繰り出す。場外際に追い詰めた合田が技を仕掛ける前に、寺居は背負投等で先に技を出して、合田に攻撃の暇を与えないクレバーな柔道を展開。結局、合田は攻め切れず引分。
次鋒戦は、逆に旭化成は巨漢の木村。対するダイコロは中量級の新人稲葉。右組み同士の両者だが、稲葉の組み手厳しく、木村が自分の組み手になれない中、1分3秒、組み際に先に引き手を握った稲葉が、体落気味に右脚を大きく木村の右脚前に踏み込み、木村の腹の下に潜り込んで担ぎ上げれば、木村はもんどりうって横転。技ありとなる。先攻された木村はこれを挽回すべく激しく攻めるが、稲葉は巧みにこれを捌く。2分37秒には引き手争いを続ける両者に指導1が与えられる。その後は、守勢に回った稲葉に残り25秒で指導2が与えられる。以後も稲葉の守勢は続くも、稲葉、序盤のポイントを守り切る。ダイコロ先取。
中堅戦。旭化成は新人で巨漢長身の辻。一方、ダイコロはパワーではひけを取らないポイントゲッターの大金。共に右組みの両者だが、大金は組み際から辻の右腕を抱え込む極端な変形。辻は、後ろ向きとなった大金の腰に抱き付き、返し技を狙おうとするが、これがもつれて辻のバランスが崩れた時に、大金は腕を抱え込んだ体勢から強引に右払巻込で巻込めば、辻は大金の背中の後を追うように背中から畳に落下。開始19秒で、大金貴重な追加点を上げる。
副将戦は同じ100kg級の対戦となったが、両者の身長差が大きい。長身の旭化成の新人出口は、右組みから内股、大外刈でダイコロ・川口を攻める。一方の川口は、じっくり出口の動きを見極めながら、左組みから内股を散発。ところが、1分10秒にここでポイントを上げなければチームに勝利のない出口が、勢い込んで前に出ようとする瞬間を、左釣り手を下から持ち、引き手十分に組んだ川口が、横移動するように低い姿勢の左背負投で担ぐと、出口は肩口からもんどりうって前に転がる。次の瞬間に主審の右手が高く上がり、一本。ダイコロが第1部決勝戦初進出を決める。
大将戦。左右のケンカ組み手の対戦。開始9秒、引き手争いの両者に指導1。その後暫くは、ダイコロ・佐々田が組み勝ち、内股で河野を揺さぶるが、徐々に河野が組み手を制し始める。そして1分39秒には、自分の組み手となった河野が、体落気味に低く右払腰を掛けると、佐々田は低い位置からゴロンと横転し、技ありとなる。その後は、追う佐々田の優位な展開となり、残り22分に河野に指導2。しかし、ポイントの争奪はここまで。最後に河野が一矢報いた。
ダイコロは、初戦に続き、この準決勝戦も危なげなく相手を降して、旭化成Aとの決勝戦へ。初優勝に挑む。
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