西日本実業柔道連盟

厚生労働大臣杯争奪第56回全日本実業柔道団体対抗大会　　北海道立総合体育センター

男子第三部

順位	団体名
優勝	北海道警察
2位	アルゼ
3位	アドリア
3位	九州電力

　５１チームでの優勝争い。内、地元特別参加は北海道警察を筆頭に８チーム。第３部チームというには場違いな印象を与える強力チームと、初優勝を狙うアルゼの決勝戦となった。

準決勝戦第１試合
アルゼ　　　　４　　－　　０　アドリア

（先鋒）	浅野雄太	3段		優勢勝	瀬戸健太	3段
（次鋒）	新垣信成	3段	○	払腰	大平紘司	3段
（中堅）	市岡　剛	3段		引分	月野尚志	3段
（副将）	山口　司	3段	○	腕挫脇固	小国泰斗	2段
（大将）	保立　勝	3段		優勢勝	中西良行	初段

準決勝戦第2試合
九州電力　　　　　　　　　　０　　－　　５　北海道警察

（先鋒）	福田隆文	5段	指導2		菅　太誠	4段
（次鋒）	淵田昌樹	3段	大外刈	○	長利功三	3段
（中堅）	小川　健	5段	払腰	○	河合秀幸	4段
（副将）	堺　耕一	5段	不戦勝	○	遠藤　剛	3段
（大将）	江上忠孝	4段	払腰	○	森　大助	5段

　九州電力は、堺監督始め福田・江上の両コーチが出場。ＯＢチームともいえる陣容であるが、準決勝戦まで難なく勝ち上がる。中でも、現役を退いたばかりの江上は、第２回戦から出場し、格下相手と言えど、空中に大きく放物線を描く得意の袖釣込腰も披露。投げた江上自身が勢い余って宙に浮かぶ程の豪快極まる得意技に、会場の観客は大いに沸く。

　北海道警察との準決勝戦では、全日本選手権常連の強豪森と対戦。第３部というには勿体無い千両役者同士の興味深い一戦となった。試合は、序盤、江上が森の袖口辺りを握って得意技に入る機を伺うも、森も心得たものでその機会を容易に与えず、実際の試技は一度のみ。それも森にうまく身体を預けられ、かわされる。その後も江上は袖釣込腰の機を狙うものの、次第に息が上がり始める。中盤過ぎには森の動きに付いて行けなくなり、森の得意の払腰で畳に沈む。

　結果、準決勝戦は０敗となったもののＯＢから成る九州電力の第３位はアマチュアの鑑ともいうべき勲章である。

決勝戦

　決勝戦はアルゼ対北海道警察の対戦。アルゼは２０歳代前半中心の若いチーム。準々決勝の新日本製鐵戦以外は圧勝で決勝戦初出場。対する特別参加の北海道警察は云わずと知れた警察柔道界の雄。決勝戦まで全勝と破竹の勢いで進出。

決勝戦
アルゼ　　　１　　－　　３　北海道警察

（先鋒）	浅野雄太	3段		引分		菅　太誠	4段
（次鋒）	新垣信成	3段	○	合せ技		長利功三	3段
（中堅）	市岡　剛	3段		優勢勝		河合秀幸	4段
（副将）	山口　司	3段		大外刈	○	遠藤　剛	3段
（大将）	保立　勝	3段		指導3		森　大助	5段

　先鋒戦。両者指導２の後、菅に片襟の指導３が与えられ、浅野がリードするも束の間、菅の攻撃に浅野は受けに回り、同じく指導３を受ける。そのままブザー。

　次鋒、右組みの新垣は、４７秒右内股から左一本背負の連絡技で効果を奪うと、続く１分２８秒、左小釣腰、技ありからそのまま横四方に固め一本。アルゼに先取点。

　中堅戦。両者指導１で迎えた中盤、河合は大内刈、体落で攻勢。３分１０秒守勢の市岡に指導２。続く３分３５秒、河合は右にフェイントを掛け、左小外掛から体を捨てると、市岡は場外に崩れ有効が宣せられる。

　副将の遠藤は、両者指導１の直後の１分３２秒、組み際に山口の首を巻いて抱きつくような右大外刈。追い足鋭く刈り込み行けば、山口が左手で畳を突いてかばうも、委細構わず体を預けると、山口堪え切れず背中から畳に沈み、一本。北海道警察が逆転。

　１７０ｃｍ短躯の保立対１８７ｃｍ長身の森の大将戦。森は奥襟を取って保立を圧迫するが、保立は森の後ろ帯の上辺りを握って、返し技の構えを見せる。保立に指導１の後、森は返しを恐れてか、思い切った技が出ず、１分２８秒両者に指導。その後、森が上から圧迫を続けると、保立はなすすべもなく２分５３秒に指導３。
そのまま試合終了。地元北海道警察の優勝成る。