決勝戦
決勝戦は、昨年1部から転落した近畿通関と昨年3部優勝から2部昇格した戸高鉱業社との対戦となった。
先鋒戦。近畿通関・村上は右組み、戸鉱業社・赤迫は左組みのケンカ組み手。両者釣り手を握り、引き手を奪いあう攻防を続ける開始35秒に、赤迫が村上の左斜め正面から両脚を広げて、大きく飛び上がり、左に体を捻りながら畳に着地すれば(所謂「飛び十字」)、腕挫十字固が見事に決まり、村上思わず「参った」。戸鉱業社、幸先良い一本勝で先制。
次鋒戦。ほぼ同じ体格で左組み同士。試合は戸鉱業社・崎村が奥を取って圧迫し、これを嫌がる近畿通関・砂原が一本背負投でかわす攻防で始まる。組み手争いが膠着した1分8秒に、両者に指導1。その後、砂原の鋭い一本背負投を危うくかわした崎村が、逆に、1分32秒組み際の一瞬の隙を突く左大内刈で効果を奪う。リードされた砂原は盛んに一本背負投で攻める中、一瞬自分の組み手になった崎村が、砂原を小外掛から潰し、砂原が両膝を着いた体勢から内股を仕掛けて低く転がして有効を奪う(2分43秒)。そのまま、伏せた砂原の左腕を巧みに逆に(腕挫腕固)に極めると、2分50秒、砂原はたまらず畳を叩く。戸鉱業社は連続の関節技で2ポイントを奪取。
中堅戦。近畿通関・鳥入65kg。戸鉱業社・高橋は140kg。2倍以上の体重差の対戦。左組みの高橋は、体格にものを言わせ、振り回すよう内股で鳥入を攻める。しかし、鳥入は体捌きよくこれを受け流し、背負投で相手を翻弄する。両者の技に効果なく、このまま引分かと思われた2分30秒過ぎ、鳥入が高橋の内股を防ぐも、思わず両膝を着いたところを、高橋が上から押し潰して執拗に攻め、防御する鳥入を委細構わず力任せに引き上げ、裏返しにして上からのし掛かり、2分51秒横四方固に押え込む。鳥入は場外に逃げようと後ずさりするように場外へ逃れ、高橋の体の大半が場外に出るも、高橋の左脛以下が場内に留まり、万事休す。戸鉱業者、第2部初制覇成る。
副将戦。互いに右組み同士。共に技が出ず、両者、53秒に指導1、1分57秒に指導2を受ける。その後は、近畿通関・土井に内股が出始め、猶も技の出ない戸鉱業社・神田に残り10秒で指導3が与えられる。土井、一矢報いる。
大将戦。左右のケンカ組み手。近畿通関・殊玖は体格で劣るも、戸鉱業社・細田の攻めを難なく防ぐ。しかし、やや守勢に回った1分32秒に指導1を受ける。その後、殊玖は引き手を握り、得意の内股攻撃を開始する。ところが、2分15秒、一瞬の引き手争いを制した細田が、右釣り手で背中を掴んだまま、右にフェイントを掛け、小外掛からそのまま体を捨てれば、殊玖たまらず畳に背中を背負い、一本。
昨年第3部優勝の戸鉱業社は、ポイントゲッターの先鋒赤迫、中堅高橋が確実にポイントを上げ、第2部でも見事な優勝を遂げた。瞬く間の第1部昇格は特筆すべき快挙。一方、惜しくも優勝を逃がし、準優勝に甘んじた近畿通関ではあるが、1年で見事第1部復帰を果たした。
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