決勝戦
決勝戦まで唯1回の引分を除き、ほぼパーフェクトで勝ち進んだ平成管財と、緒戦の勝利以外は最小点差と苦労して勝ち上がった近畿通関との決勝戦。
先鋒戦。小兵の鳥入は66kg級の選手。体捌きよく105kgの合田の動きを受け流す。攻撃の止まった1分46秒、両者に指導1が与えられるが、中盤過ぎから鳥入の動きが再び活発になり、2分47秒、場外際で相手の股下に潜り込み背負投で担ぐと、合田の巨体は大きく泳ぎ肩から落下し「有効」。その後も鳥入は攻撃の手を休めず、残り55秒、小内刈で追い込んでから背負落に連絡変化。相手を真下に落すと、合田の巨体が畳に沈み、見事な「一本」。鳥入は、平成管財から始めて得点を奪う。「柔よく剛を制す」の見本のような試合ぶりであった。
次鋒戦。これまた、巨漢対小兵の対戦。喧嘩組み手の組み手を掴むや否や、砂原は盛んに背負投、一本背負に担ぐが不十分。対する里山は、不十分な組み手ながらも、体を利用しての強引な内股で、1分36秒に「効果」を奪う。その後は、砂原が担ぎ技を繰り出すも里山はこれを残す。反撃の成果のないまま、逆に残り46秒、里山に大内刈からケンケン内股で「技あり」を奪われ、砂原涙を飲む。
中堅戦。開始27秒、百瀬が巴投で身を捨てたまま、左足を持ち上げ、村上の腹部に当てた右足と村上の右腕を挟み、両手は相手右首をしっかり握り、瞬時に右に体を捻ると、村上思わず「参った」。百瀬の電光石火の早技、腕挫十字固が見事に決まる。
副将戦。市ノ渡が終始圧力を加えると、小林技が出ず52秒に指導1。1分32秒に指導2を受ける。その後は両者技が出ず、2分25秒、両者に指導。後が無くなった小林だが、その後も技が出ず、残り16秒、両者に指導。4回の指導が重なり、小林「反則負」を喫す。
大将戦。組み手争いで十分な組み手になれない筒井だが、1分44秒、岡田の右袖を両手で掴み、右変形姿勢となった岡田の右足を鋭く払うと、岡田はもんどり打って背中から畳に落下。筒井、瞬間の技で「一本勝」。
結果は、平成管財の完勝に終わったが、先鋒、次鋒の近畿通関の小兵選手の活躍は点差以上の目の見張るものがあった。特に先鋒鳥入の担ぎ技の切れ味は、特筆に値する見事な柔道であった。
|