決勝戦
昨年15連覇を成し遂げたミキハウスは、所属先の団体戦不出場方針を受けて本大会欠場。常勝チームを欠き、少し寂しい大会となったが、その代わりオールドファンには懐かしい選手からなる新チーム出場やフレッシュな新社会人でチームを編成した初出場チームが会場を沸かせた。
決勝戦は、共に順調に進出したダイコロ対ワイエスフードとの対戦。
先鋒戦。内田左組み、植田右組みの喧嘩組み手。試合は、一本背負で内田をつぶし、寝技で覆いかぶさる植田の攻勢で始まるも、徐々に上背で勝る内田が内股、足払で植田を追い込み、中盤には攻守が逆転する。3分過ぎ攻撃の止んだ植田に指導1。その直後、内田の足払で膝を着いた植田が伏した姿勢から関節を取ろうと、内田の腕を挟んで体を開いた瞬間、仰向けになった植田を内田が上から制し、残り23秒、横四方に固める。その後崩上四方固に転じ、そのままブザー。内田貴重な先取点を上げる。
中堅戦。共に右組みの両者だが、試合は、体格の勝る近藤が手島の奥襟を取って、大外刈、内股で攻め、手島がこれを防ぐ攻防で始まる。1分過ぎには、場外際、近藤の巻込みで転がされた手島だが、場外判定で危うく難を逃れる。その後は、手島が背負投、組み際の大外刈で攻めるも、両者譲らず見ごたえのある攻防が続く。残り49秒、近藤が強引に肩越しから手島の右腕を抱え込んで大外刈を仕掛け、そのまま巻込みに移行する瞬間、手島は近藤の背中に回りこんで腰を両腕で抱え込み、裏投で真後ろに身を捨てると、近藤背中から畳に打ち据えられる。手島、乾坤一擲の捨て身で勝負をタイに持ち込む。
大将戦。梅上右組み、難波左組みの喧嘩組み手。組み手の攻防から十分に組みとめた難波が、39秒、払釣込足気味に梅上の右足を払うと、梅上は難波の足下に沈み、技あり。難波はそのまま覆いかぶさるように横四方固で押さえ込んで「一本」。練習不足を感じさせた難波だが、倍近い体重差をうまく生かし、勝負を決める。
両者実力伯仲、中堅戦の一瞬の攻防が明暗を分けた。
チームは変われども選手は変わらず。昨年までのミキハウス対ダイコロ戦の光景を彷彿させるが如き複雑な思いを抱かせる決勝戦であった。 |