旭化成同士の決勝戦、旭化成Aが堂々の貫禄勝ち。
新人補強により戦力倍増した旭化成Aは、足の故障のため9日前に全日本選手権準優勝した村元を温存しながらも危なげなく決勝戦進出。
対するは、昨年第二部転落するもダイコロBの辞退に伴い繰り上り出場となった旭化成B。準決勝戦、2対2内容でリードを許していた九州電力に、大将戦塘内が残り2秒小内刈で効果を奪い、劇的な逆転勝で決勝戦進出。
先鋒戦。旭化成A増渕、開始48秒旭化成B家泉を十分に組み止め、内股一閃。見事な一本勝で先制。
次鋒戦は、開始30秒Bの楠見に消極的姿勢で指導1。1分11秒には、互いに消極的でAの河野に指導1、楠見に指導2。その後、攻勢に転じた河野が1分27秒、大内刈で技ありを奪う。リズムを得た河野は続く2分40秒、再び大内刈で技あり。合せて一本でAがリードを広げる。
中堅戦。Bのアテネオリンピック81kg級代表塘内の巧みな試合運びに、Aの新人大鋸は攻めあぐね、両者1分に指導1、2分47秒に指導2を受ける。その後も大鋸がパワーで押すが、ベテラン塘内、巧みに捌いてポイントを与えず引分ける。
副将戦は、Bの平野はAの高橋に引手を許さず、高橋が攻めあぐねる展開となり、1分7秒両者に指導1。その後、引手を掴めるようになった高橋が得意の内股で攻勢に入る。試合中盤、平野、重畳的に攻める高橋の内股を内股返しに切返そうとするも、2分38秒高橋委細構わずそのまま平野を跳ね上げると、平野ゆっくり円弧を描きなら、場外付近に背から沈む。高橋、豪快な一本でAの優勝を決める。
大将戦は、Aの重量級松山が、Bの中量級の角地を振り回すような足技による攻撃を見せ、角地はこれを動きよく捌く展開で始まる。しかし、猶も攻撃を緩めぬ松山が、中盤に差し掛かる頃から足技で効果、技あり、効果と続けてポイントを重ねる。残り16秒、角地が起死回生の背負いに入った所を、松山、小外掛から体を捨てると、角地背中から大きく飛んで畳に打ち据えられる。松山優勝に華を添える豪快な一本。
上述の通り、決勝戦は旭化成同士の対戦で、優勝争いらしからぬ静かなムードで試合進行。結果は地力で勝るAチームの圧勝となった。旭化成Aは7年連続、23回目の優勝。
2年連続して最優秀選手賞、銅金杯に輝いた旭化成A高橋は圧倒的な強さで全試合一本勝。新人賞、松本賞を手にした旭化成A増渕も、内股の切れ鋭く全試合内股での一本勝。若武者ぶりを遺憾なく発揮した。
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