大会概況
男子 新日鐵住金が連覇、十五回目の優勝
女子 JR九州、二年ぶり二度目の優勝
夏を思わせるような日差しの晴れ渡った5月18日、「内閣総理大臣杯争奪 第五十四回西日本実業柔道団体対抗大会」は、緑したたるベイコム総合体育館(尼崎市記念公園)において、男子68、女子8、昨年より5チーム減の合計76チームの参加で開催された。昨年に引き続き今大会でもインターネット放送を実施し、開会式、第一試合場での全試合及び閉会式の模様をインターネットサイトの「ユーストリーム」を通じて中継放送を行った。
9時30分、山本裕洋大会委員長の開会宣言にて開会式が始まり、国歌斉唱、前年度各部優勝チームによる優勝杯・優勝旗返還の後、森詳介大会会長が開会の挨拶を行った。森会長はその中で、全柔連が昨今のゆきすぎた勝利至上主義を見直し「柔道を通じた人づくり」を柱に改革を進めていることに言及され、選手にも礼節を重んじた品格ある試合をするよう求められました。引き続き尼崎市関係からの来賓3名様を紹介。来賓挨拶では地元尼崎市を代表して尼崎市教育委員会教育長コ田耕造様から歓迎の言葉を頂戴し、その後、稲村和美尼崎市長からのメッセージが披露された。
選手宣誓は、新日鐵住金柔道部の齋藤俊 三段が堂々と行った。その後、昨年11月に実施した「ラオス柔道指導事業」の派遣メンバーの一員、大阪ガス(株)所属の松本邦彦氏が、ラオスでの柔道指導体験、成果とこの事業の意義についてスピーチを行い、開会式を終了。引き続き、5試合場に分かれて試合が開始された。
男子第一部は、昨年度優勝の新日鐵住金が東レ滋賀B、九州電力を失点ゼロで下し、決勝に勝ち上がった。一方、昨年度まさかの初戦敗退で15連覇を逸した実力チーム旭化成は初戦こそ東レ滋賀に苦戦したものの、準決勝はダイコロに圧勝し順当に決勝に駒を進めた。連覇に意気込む新日鐵住金と昨年の雪辱を期す旭化成との熱戦も、新日鐵住金・先鋒の赤迫健太選手が実力者・野田嘉明選手から貴重な勝ち点を得ると、次鋒・斉藤俊選手、中堅・増田哲也選手が苦しみながらも勝利を収め、昨年に引き続き優勝を決めた。
男子第二部は、昨年より2チーム減の12チームによる第一部昇格を賭けての戦い。決勝戦は無失点で勝ち上がってきた昨年第一部の旭化成と新人を大幅に補強しこれまた決勝までの3試合を大差で勝ち上がってきた日本エースサポートとの対戦となった。引き分けで迎えた中堅戦、旭化成・海老泰博選手は軽量ながらもうまい試合運びで・背負投・内股すかしと合わせて一本勝ち、副将戦は日本エースサポート奥村達郎選手が優勢勝ちで取り返すも、大将戦は引き分けに終わり、内容差で旭化成が第一部復帰を優勝で飾った。
男子第三部は、昨年より2チーム減の48チームのエントリーとなった。決勝戦は三部に4チームが出場し、42歳の平田和義監督を大将に据えるひらた整骨院Aと佐藤鉄馬選手ら新人を中心に無失点で勝ち上がってきた日本エースサポートとの対決となった。軽量級中心の日本エースサポートに対し、体格で勝るひらた整骨院が先鋒、中堅戦を連取、大将戦を待たずに初優勝を決めた。
女子の部は、一昨年、昨年に引き続き、日本エースサポートAとJR九州が三度目の決勝戦。豊富な運動量と組み手のうまさで優ったJR九州が先鋒、中堅戦を連取、昨年の雪辱を果たし2回目の優勝を果たした。
個人表彰
男子の最優秀選手賞の銅金賞は、勝負どころで貴重な勝利を収めてチーム優勝の立役者となった新日鐵住金の増田哲也選手が昨年に引き続き2回目の受賞。
女子の最優秀選手賞の岡林賞は常に安定して力を発揮しチーム優勝の原動力となった只野真梨枝選手が手にした。
新人賞の松本賞は、男子は準決勝までの三試合一本勝ち、決勝でも貴重な勝ち点をあげた日本エースサポートの奥村達郎選手、女子は全ての試合に勝ち点を上げた樽谷塾の松本友紀子選手に決まった。
男子第二部最優秀選手の米澤賞は、全ての試合に一本勝ちを収め、決勝戦で体格の勝る相手を翻弄し、優勝を決める勝利をあげた旭化成の海老泰博選手に授与された。
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