大会概況
東日本大震災後の列島全体に垂れ込める暗鬱なムードにも似たどんよりとした夜明けからの空模様も、受け付けが始まる頃には、すっかり晴れ上がり爽やかな五月晴れとなった五月八日の「母の日」。「内閣総理大臣杯争奪 第五十一回西日本実業柔道団体対抗大会」は、目に鮮やかな緑の木立に佇むベイコム総合体育館(尼崎市記念公園)において、男子61、女子13、昨年より18チーム少ない合計74チームが参加して開催された。会場入り口には大震災義援金募金に連盟幹部等が立ち、支援を呼び掛けた。
九時三十分、開会に先立ち、この度の大震災の犠牲者の方々の御霊に黙祷。その後、米田圭佑大会委員長の開会宣言にて開会式が始まり、国歌斉唱、前年度各部優勝チームによる優勝杯・優勝旗返還の後、森詳介大会会長の開会挨拶。続いて来賓紹介。来賓挨拶では地元尼崎市を代表して尼崎市教育委員会教育長徳田耕造様から歓迎の言葉を頂戴し、稲村和美尼崎市長からの祝電披露がなされた。
その後、選手を代表して旭化成柔道部主将の大鋸新五段が力強く選手宣誓を行った。最後に連盟副理事長で本大会審判長の山本裕洋八段から試合の応援のあり方、そのマナーをテーマに柔道ルネッサンス・スピーチがあり開会式を終了。引き続き、5試合場に分かれて試合が開始された。
男子第一部は、旭化成のA・Bチームの決勝戦となり、同社の選手層の厚みを見せ付けた。旭化成Aは新日本製鐵との準決勝戦、副将戦でリードを奪われるが、大将戦で勝利を拾って引分に持ち込み、続く代表戦を制して決勝戦に勝ち上がった。一方のBチームは、初戦、準決勝戦、圧勝で決勝戦へ。6年ぶり3度目の社内対決は、A増渕、B木村の両ポイントゲッターの勝敗が明暗を分け、旭化成Bが堂々と同Aを降して嬉しい優勝を果たした。AチームとBチームの入れ替わりはあるものの旭化成としては連勝を十三年に伸ばし、二十九度目の優勝。
男子第二部は、昨年より8チーム増加の21チームによる第一部昇格を賭けての戦い。奈良少年刑務所が副将、大将の活躍で順当に勝ち上がり、他方、昨年第三部準優勝の大阪刑務所は、接戦をものにして決勝戦進出。決勝戦においても、初戦からオール一本勝の副将諸見里、大将船津の両選手が獅子奮迅の活躍を見せ、堂々の初優勝を飾った。
男子第三部は、昨年より25チーム減の32チームのエントリーとなった。若手中心の新日本製鐵は、圧倒的な力の差を見せて順当に決勝戦進出した。対する関西医療学園Aは、オール一本勝の中堅宮下が、実力通りの活躍を見せて勝ち上がり、2度目の決勝戦に駒を進めた。決勝戦では、新日本製鐵が若い力を発揮して、5年ぶり11度目の優勝を果たした。
女子の部は、共に新人選手の活躍で決勝戦に進出した日本エースサポートと十全会・回生病院の一戦。伯仲した戦いを日本エースサポートが大将戦で決し、堂々三連覇を達成した。
個人表彰
男子の最優秀選手賞の銅金賞は、オール一本勝で優勝の立役者、旭化成B木村純選手が二度目の受賞。
女子の最優秀選手賞の岡林賞は、3試合オール一本勝、日本エースサポートのエース石川笑美子選手が手にした。
男子の新人賞の松本賞は、第二部に出場し、3戦2勝の日経サービスの川原良太選手が受賞した。
同じく女子の松本賞は、4試合中、不戦勝を含む3勝の十全会・回生病院の大将、佐伯友美選手に与えられた。
故米澤名誉会長を顕彰して第47回大会から設けられた男子第二部最優秀選手の米澤賞は、優勝チームの奈良少年刑務所から、5戦5勝、しかもオール一本勝でチームの優勝の原動力となった副将の諸見里真経選手に授与された。
対戦記録と戦評
第7回尼崎少年柔道紅白試合
第45回大会から地元尼崎市の柔道少年少女の団体試合を開催しています。今大会においても各部決勝戦開始前に第1試合場と第2試合場で開催しました。小学生の部、中学生の部共に、5人制の点取り試合。試合終了後には連盟役員から全員に記念品が手渡されました。
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