関西運動記者クラブへの説明会

第55回西日本実業柔道団体対抗大会開催に向けての記者懇談会は、平成27年4月13日(月)、18時からホテル阪神(大阪市福島区)において開催された。関西運動記者クラブからは全国紙、ブロック紙、スポーツ紙、通信社、放送局の各スポーツ担当記者10名に出席いただいた。 当連盟からは、山本理事長をはじめ、副理事長、事務局長、広報委員長、広報委員、連盟加盟チーム監督の6名が出席した。 特別ゲストとして、昨年に続き、全日本柔道連盟・近石康宏専務理事をお招きした。

山本理事長のあいさつの後、田中事務局長から第55回西日本実業柔道団体対抗大会の大会要項、大会組み合わせ、新人紹介などの説明を行うとともに、開催地である尼崎市が来年「市制100周年」を迎えるに当たり、今年の大会は「尼崎市市制100周年プレ記念大会」と位置付け、プレ記念の冠を付けた大会として開催することを説明した。

有望選手紹介において、当連盟に加盟する九州電力柔道部の江上忠孝監督から「七戸龍選手の現状と重量級の展望」と題し、自チームに所属する七戸龍選手が2016年リオデジャネイロ・オリンピック出場を目指すためには、現在の練習環境では挑めないとの結論に至り、全日本・井上康生監督、全日本男子・鈴木桂治コーチらに相談した結果、昨年5月より練習の拠点を福岡から東京に移し、国士舘大学を中心に、東海大学、警視庁、講道館も主な練習先として練習に励んでいること、100s超級の世界情勢は、フランスの絶対王者リネール選手を中心に、世界ランキング1位のシルバ選手がいる。世界選手権やオリンピックの舞台では、彼らを倒さない限り日本に金メダルはないと思われることなどについて現場の熱気が伝わる説明があった。

特別ゲストである柔道連盟・近石康宏専務理事からは「全柔連改革について」と題し、「組織改革」「新規施策等について」などの取組を講演していただいた。(要旨は別添のとおり)

その後の懇親会では、朝日新聞社スポーツ部・安藤嘉浩記者の乾杯の発生後、懇親の小宴を持った。会場では昨年より採用されたルールについての意見、本来の柔道のあり方、全柔連の動きなど活発な意見交換の場となった。近石専務理事からは的確で懇切丁寧な答えがあり、これまで同様大変意義のある懇談会となった。

※全柔連専務理事 近石康裕先生 講演要旨

「組織改革」では評議員の定数60名を30名とし、在任期間については70歳を超えて再任されないように改めた。評議員の中には女性3名と外部識者4名のそれぞれ枠を設ける構成とした。また、コンプライアンス担当理事を設け、同委員会の設置をした。暴力・セクハラなどをなくすために、倫理懲戒規定の整備も進めており、全国に広めているところだ。財政基盤の強化・適正経理の推進についても、大口のスポンサーだけでなく、賛助会員制度を整備し、個人としても賛同願える方を募り財政基盤の強化に結び付けたい。当然のことだが、適正経理の推進にも努める。

「新規施策」としての取り組みは、啓蒙活動の一環として「MIND」活動を推進する。これは柔道本来の礼節と品格を重んじる活動で、試合に勝ったからと言って大きなガッツポーズは慎むべきものだ。昨年、団体戦でリードしていたチームが相手に対して侮辱とも取れる暴言を吐いたため、審判合議の上でリードしていたチームを敗者としたケースもある。広報誌「まいんど」の発行などで、「MIND」活動を推進し、礼節と品格を重んじる柔道としていきたい。

重大事故防止総合対策は昨年11月ごろから取り組んでいる。中身は総合対策委員会の設置、「被害者の会」との取り組み、公認指導者賠償責任保険の導入など。柔道による被害をなくしていく取り組みを推進する。

少年柔道普及振興対策として組織の一元化、きめ細かな「柔道教室」の開催、被災地復興支援のための「柔道教室」の開催、登録員カードの全員配布などを広めて行く。これらは昨秋から動き出してきている。全国の町道場は柔道整復師が接骨院を開業する傍ら開いているところが多い。それ以外で柔道教室を開いているところもあるが、月謝自体がそれほど高くなく、継続してやっていくのが難しくなり、閉鎖せざるを得なくなっているのが現状だ。柔道登録人口も10年前は20万人を超えていたが、今では17万人を割っている。登録員カードは魅力的で価格も200円程度の安価なものとし、カードを持っていることが自慢できるようなものにしたい。

国際貢献事業も今年から推進していく。学生ボランティア派遣事業も一つの柱とし、柔道の後進国に派遣したい。柔道が大好きで外国で教えたい人を対象としていく。また、柔道着、畳などの物的支援活動も積極的に取り組んでいく。

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